この記事はちりいのアドベントカレンダーの7日目の記事です!
突然だが、私の家には使われていない湯たんぽカバーがある。
湯たんぽと湯たんぽカバー、どちらも2022年(昨年)の秋ごろに無印良品で購入したものなのだが……購入時、私は一つ、大きなミスを犯してしまった。
湯たんぽが、カバーに、
入らないのである。
同じ店で買ったのに、そんなことがあるのだろうか? と公式サイトを確認してみた。すると、無印良品では、湯たんぽとカバーを何種類かずつ販売していることが判明。つまり、あの時の私は湯たんぽ(大)と湯たんぽカバー(小)を購入してしまったのだ。
結局、昨年の私はカバーを買い直すことはなかった。湯たんぽ本体は、タオルに包んで使用した。その間カバー(小)は、ず~~っと部屋に放置。
季節は巡り、2023年12月。月日こそ経ったものの、部屋に放置したきりのカバーが視界に入るたび、新鮮に、なんともやるせない気持ちになっていた。もったいない。何か有効活用できないものか……。
ふと、カバーを手に取って撫でてみる。……なんとも、撫で心地が良いではないか。例えるなら、犬だ。フワフワで、それでいて奥の方にはわずかに硬さも感じる。生き物を撫でているようだ。
……閃いた。
この子に、命を吹き込んでみよう。
ぬいぐるみのように、してみよう。
そうと決めてからは早かった。しかし、頭の中は不安でいっぱい。私は、人生で一度もぬいぐるみを作ったことがない。不器用なのだ。不器用という概念を擬人化してみたら、私のクローンになってしまうくらいには。知らんけど。
そんな奴が、ぬいぐるみなんて作れるのか……? できたとして、人様に見せられる仕上がりに、なるのか……?
いや、ハードルは低いぞ、落ち着け。これは湯たんぽカバーだ。普通の布とは違って、チャックが付いている。手芸スキルがなくとも、綿さえ詰め込んでしまえば、きっと、きっと……!
というわけで、百均で手芸用品を購入してきた。先に読者の皆様にお伝えしておくと、画像右上の青いフェルトたち、つまり「ゆたんほ」は最後まで使っていない。なぜなら、今から作るのは湯たんぽカバーを基にしたぬいぐるみであって、湯たんぽそのものではないことに、製作途中で気づいてしまったから。(もし「ゆたんほ」がどうしても必要な方は、私までご連絡ください。譲ります。)
さて、まずは綿を開封してみよう。
軽い。そして小さいように感じる。しまった。余分にもう一袋買っておけばよかったか?
私は、
初っ端から、
やらかしてしまったのか!?!?
恐る恐る、ビニールを破ってみる。
すると……
/ モリュ \
う、うわあ、あふれ出てきた!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 動画回す暇もない!!!! でも静止画で伝わるくらいの綿の量!!!!!!!!!!
高級な綿あめみたいな写真が、撮れたね。
綿の量、心配しなくてもよかった。これを全部カバーに詰めていく。
あふれ出んばかりの、もこもこである。押し込んで、チャックを閉める。
お、おお……この時点で結構生き物っぽい。でも、ちょっと怖いかも。どこが顔か分からない感じ。さなぎっぽい気もする。
ここから、もう少しこの物体に親しみを覚えられるような工夫を加えていくぞ。
ちくちく……。
慣れない作業、手指がつかれるのはもちろん、糸通しで目も疲れる! Youtubeでボタンの付け方を調べて、なんとか縫ってるよ! 便利な時代!! でもこれ、縫い方合ってんのかわかんないね!!
自己流で、もう一つボタンをつけて……。
突然、顔になった!!!!!!!!!!!!!
かわいい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ワイの湯たんぽカバー可愛すぎワロタ」ってスレ立てようかな(どこに?)
あまりに可愛すぎるから、この子の頬にち~~~~~~ちゃく赤い糸を縫い付けてみた。チークだね。似合ってる。ポインセチアと一緒に、はい、チーズ。君の頬と同じ、赤色だね。
心なしか笑っているように見えるよ。え、ほんとに笑ってますよね?
ご覧ください。上から見たフォルムが、愛おしすぎる。
あと、撫で心地が良い! 綿が入る前とは違って、質量を感じる。弾力があります。どうしよう、思っていた以上にかわいいな。愛着が湧いてきちゃったよ。
これを読んでいる皆さんにも、ぜひ、自分だけのぬいぐるみを作ってみてほしい。愛着が湧くよ。できれば、私のように「自分の失敗によって生み出された素材」からぬいぐるみを作ってみてほしいなあ。これ、己のどうしようもなさもひっくるめて、愛せる気がするから。
そうだ、これは、私のおっちょこちょいを具現化したぬいぐるみだ。
自分の嫌いなところが、今は、こんなにも、かわいい……!
この文章を打ち込んでいる今も、膝の上に乗ってもらっています。視界の端に、ずっといてくれる。俯いても、君がいる。寂しくないね。……ごめんね、君のこと、去年からずっと放置してて。
……この子は、何も言わない。ただ、私のそばにいるだけ。……ちょっとだけ、寂しい気もする。
あ~あ、せめてこの子が人肌くらいあたたかければ、寂しさも紛れる気がするのにな……。
ってそれ、湯たんぽ入れれば良いだけの話やないかい!!!!!!!!!!!!!!!!
/ うっかりミスには きをつけよう! \
むりやり おしまい
著者:降り注げ果汁
もうすぐ冬至ですね(2023年は12月22日)。柚子湯、入ろう!