第一版作成日:202⬛︎/⬛︎⬛︎/⬛︎
作成者:五十嵐 ⬛︎⬛︎
【概要】
・本事案は東京都⬛︎⬛︎地区内で人間、または物体が一時的に消失・再出現する現象です。現象は⬛︎⬛︎地区に限定され、他地域では観測されていません。
・この現象は199⬛︎/⬛︎/⬛︎⬛︎に東京都⬛︎⬛︎地区⬛︎⬛︎に位置する⬛︎⬛︎第一自然公園にて初めて観測されました。
・202⬛︎/⬛︎⬛︎/⬛︎現在、再出現した人間に生存者はおらず、遺体には全て打撲、骨折等の外傷が確認されています。また、再出現した遺体は共通して成人の男性であり、女性、または未成年の遺体は確認されていません。
・現在確認されている消失が継続している状態の人間は、いずれも4~12歳までの年齢であり、その範疇を出ていません。
【事象】
事象パターンA-1:199⬛︎/⬛︎/⬛︎⬛︎ 17:10
⬛︎⬛︎第一自然公園にて、ランニング中の男性が、公園内の道で再出現する男性A-1と物体A-1を発見、警察に通報したことで初めて確認されました。発見された男性A-1は199⬛︎/⬛︎/⬛︎⬛︎以前から捜索願が出されており、捜索中の人物でした。
発見した男性によると、再出現した男性A-1と物体A-1は公園内の道の空中から出現し、発見した男性から見て奥へ飛ばされるように落下、地面を強打し、そのまま停止しました。発見時には男性A-1は死亡が明らかな状態でした。
司法解剖の結果、男性の死因は首の部分を強打したことによる脊椎損傷でした。首の付近の皮膚にはロープの跡が残っており、物体A-1にも男性A-1のDNAが検出されたことから、男性A-1の首に物体A-1が強く当てられたものと推測されます。
なお、発見した男性には適切な処置を行いました。
事象パターンA-2:200⬛︎/⬛︎/⬛︎⬛︎ 17:22
⬛︎⬛︎海岸遊歩道にて歩行していた男児が再出現したと見られる男性A-2、物体A-2を発見し、付近を調査中であった構成員に報告したことから確認されました。
男性A-2は200⬛︎/⬛︎/⬛︎から行方不明になっており、家族から捜索願が出されていました。
発見した男児によると、男性A-2は物体A-2と共に海岸に突如出現し、男性A-2は出現してからしばらくの間痙攣していたが、間もなく停止しました。
男性A-2の右くるぶし、右腕、体の右側面全体にロープの跡が強くついており、死因は右半身を強打したことによる多量出血でした。付近で発見された物体A-2からは多くの男性A-2の皮膚片、血液が検出されました。
なお、発見した男児には適切な処置を行いました。
事象パターンB-1:201⬛︎/⬛︎/⬛︎⬛︎ 15:30~202⬛︎/⬛︎⬛︎/⬛︎
開発区画⬛︎⬛︎にて、⬛︎⬛︎小学校の児童5人で遊んでいたところ、うち2人(男児B-1-1,女児B-1-2)が突然消失する現象が発生しました。消失を目撃していた児童は「まばたきしたらいなくなった」と証言しています。
当時は行方不明事件として扱われていましたが、この区画で同様の行方不明事件が⬛︎年のうちで⬛︎⬛︎件発生したため現象と関係性があるものとして、201⬛︎/⬛︎⬛︎/⬛︎に構成員によってこの区画への出入りを制限し、外部からの侵入を防ぐため周囲に監視を設置しました。
なお、警察内で保管されている男児B-1-1、女児B-1-2の捜索情報は改竄しました。当時男児B-1-1、女児B-1-2と遊んでいた児童、男児B-1-1、女児B-1-2の親族には適切な処置を行いました。
事象パターンC-1:202⬛︎/⬛︎/⬛︎⬛︎ 15:00
⬛︎⬛︎公園にて、施設管理人により公園内に設置されている公衆トイレ裏に設置されている掃除用具ロッカー(物体C-1)から、男性の遺体(男性C-1)が発見されました。
発見時、男性C-1の遺体は全身を骨折しており、特に両腕、脇腹を複雑骨折していました。両腕は上側から4点、下側から1点の痣が確認され、両側から強く圧迫された跡が見られました。また、脇腹の場合、右半身に4点、左半身に1点の痣があり、こちらも両側から強く圧迫されて複雑骨折していました。
男性C-1の遺体は著しく変形しながら物体C-1へ入っており、男性C-1が物体C-1に強く押し込められるように入れられたと推測されます。
【傾向】
この現象は199⬛︎/⬛︎/⬛︎⬛︎に初めて観測されてから年々その数が増し、200⬛︎/⬛︎⬛︎/⬛︎⬛︎まで増加傾向にありました。200⬛︎年以降、200⬛︎年を上回る件数は発生しておりません(表-1)。
【推察と分析】
現象の件数が安定した同時期、⬛︎⬛︎地区児童連続誘拐殺人事件で、⬛︎⬛︎地区の幼稚園で用務員をしていた⬛︎⬛︎ ⬛︎⬛︎⬛︎氏が逮捕されました。
⬛︎⬛︎ ⬛︎⬛︎⬛︎氏は自身が勤務していた幼稚園の児童に狙いをつけ、休日等に遊んでいる児童を誘い出し、草むらに連れていきその場で殺害、または自宅まで誘拐の後、殺害しました。
犯行は199⬛︎/⬛︎/⬛︎に勤務していた幼稚園に通う、当時5歳の⬛︎⬛︎さくらさんを誘拐・殺害したことから始まり、200⬛︎/⬛︎⬛︎/⬛︎⬛︎まで続きました。逮捕後、⬛︎⬛︎ ⬛︎⬛︎⬛︎氏は裁判の末に終身刑の判決を下され、現在も⬛︎⬛︎⬛︎刑務所で服役中です。
⬛︎⬛︎ ⬛︎⬛︎⬛︎氏の殺害した児童の数と、現象の発生件数を比較した結果、年数に伴って現象の発生件数が増加する傾向が分かりました(表-2)。⬛︎⬛︎地区で発生しているこの消失・再出現現象は⬛︎⬛︎ ⬛︎⬛︎⬛︎氏と密接な関係があるものと考えられます。
【事象(202⬛︎/⬛︎⬛︎/⬛︎追記)】事象パターンC-2:202⬛︎/⬛︎/⬛︎⬛︎ 16:35
⬛︎⬛︎公園にて、事象C-1と同じ物体C-1から我が社の構成員、矢島氏が発見されました。
男性C-1と同様に全身複雑骨折の状態で死亡しており、痣の特徴も一致しました。また、矢島氏の右腕は胴体から千切れており、傷口から、腕を体から強く引っ張ったことで千切れたものとみられます。矢島氏は以前から現象の調査を現地で行っておりましたが、202⬛︎/⬛︎/⬛︎から連絡が取れず、消息が不明となっていました。
発見時、矢島氏の上着ポケットからボイスレコーダーが回収されました。ボイスレコーダーは多少の傷はありましたが正常に機能しており、失踪時に録音されたとみられる24分の音声記録が残っていました。以下がその音声記録の書き起こしになります。
[足音が5分ほど続く]
矢島氏:異常事態と確信しました。大通りに出ましたが、車や人は全く見当たりません。
矢島氏:……ん……えー、いえ、子供の声？が聞こえます。聞こえる気が、します。声の方向へ向かいます。
[15分足音]
矢島氏:うおっちょっと……[雑音][足音]……待て待て待て……
矢島氏:[小声で囁く]えー、声の元にたどり着きました。しかし子供ではありませんでした。いや、形状……と言っていいのかわかりませんが、形状は子供です。ですが、身体は異常に大きく、4~5mほどです。子供のまま縮尺が大きくなったような感じです。……それ、が、一人です。それが声の主でした。
矢島氏:恐らくこちらにはまだ気づいていません。下を見ながら何か探しているようです。背後からのため顔は確認できませんが、恐らく男の子です。
矢島氏:……あっ、えー、子供が立ち上がり、移動を始めました。尾行します。
[3分ほどの雑音]
矢島氏:……お、あ、他の子供と合流しました。女の子です。同じような体型をしています。
矢島氏:ん……？えー、今合流した男の子と女の子の顔に見覚えがあります。恐らく……[紙をめくる音]
矢島氏:分かりました。201⬛︎/⬛︎/⬛︎⬛︎に開発地区⬛︎⬛︎で失踪した⬛︎⬛︎君(男児B-1-1)と⬛︎⬛︎ちゃん(女児B-1-2)です。写真と同じ顔ですが、体型だけが大きくなっています。もう少し近づきます。
[足音]
[男児、女児の声が近づく]
男児B-1-1:全然いないね。さくらちゃんの言ってる男の人。
女児B-1-2:悪い人だから早く捕まえなきゃいけないのにね。
男児B-1-1:ここの近くにはいないのかな？
女児B-1-2:わかんないけど、みんなで探してるからきっと捕まるよ。
男児B-1-1:そうだね……あれは？誰かいる！
女児B-1-2:ホントだ！言ってた人かな！？
矢島氏:うわ……うわわ、えー、見つかりました！今、反対方向へ逃げていますが、すごい速さです！
矢島氏:ヤバいヤバいヤバいヤバい……これヤバ、あ、[悲鳴]
男児B-1-1:捕まえた！この人かな？
女児B-1-2:えー？違うよ。この人顔が違うもん。
矢島氏:[悲鳴]
男児B-1-1:そっか……じゃあお人形だね。
女児B-1-2:ちゃんと戻しておいてね。わたしあっち探してくる！[足音]
男児B-1-1:違ったなあ、またお人形か。ぶーーーん、ドカンドカン！ヒューーーン。くらえー！スーパーパンチ！
男児B-1-1:あ……壊れちゃった
[足音]
[金属製の扉の開閉音]
男児B-1-1:しーらない
内容から推察するに、矢島氏は調査中に異常空間に侵入し、男児B-1-1達の探す何らかの条件に適合していなかったため、排除され、異常空間からこちらへ再出現したものだと思われます。
著者：配達員
女子中高生の敵
