第152回、おしっコンテスト開催だァーーー!!!!
晴天の中、ドームに響き渡る声
ここはおしっこシティ東地区
おしっコンテストとは、年1回開催される大会。
おしっこをよりよく輝かせた者が王者になり、毎年この大会には多くの人が会場にかけより、テレビ中継もされおしっこシティの97%の人がテレビを見て釘付けとなる。
「実況・解説はこの私、北条 ろ過水太郎こと、ジョロがおとどけします!それではこの大会の審査員の紹介だぁーーーー!」
「まずは審査員の紹介だ!おしっコンテストの優勝数28回!!今は引退して次世代を育て上げるために道場を開き、その生徒数199人!!生きるレジェンド!草木 善治郎時貞だー!!!」
「よろしゅう」
老人は眉間にしわをよせ、不機嫌にも見える顔であいさつをする。
この男こそ、おしっコンテストで28回王者となり、その記録もおしっこの技も誰にも塗り替えられないと言われるほどの強者だ。
「そしておしっこ大好きクラブ会長!ニョウスキー・ピスラブさんだーー!!!」
「いや~尿ですねぇ~」
愛嬌のある顔で親しみやすいおしっこ大好きクラブ会長、ニョウスキ・ピスラブはその親しみやすさから、「ピスちゃん」と呼ばれるほどみんなから愛されている。
中年男性ながらも老若男女問わず愛されている。最近枝豆を育てている。
司会者2人の挨拶やおしっこシティの市長の開会宣言後におしっコンテストの選手の紹介がされる。
まず前回王者からの挨拶もある中、草木 善治郎時貞はむすっとした顔で選手をにらむ
「今年も退屈じゃ」
まだ選手の紹介もしていないが彼にはわかる。
選手の中には自身の道場の生徒もいるがその中でも良いおしっこの選手は自身の弟子であり、前回王者である エヌ=ワイ・ゼロしかいない。
最近のおしっこはどうも足りぬ。
現役時代に感じたあのおしっこを感じさせてくれ
すでに最後の選手紹介まで、善治郎時貞の退屈は続いた。
「おや?エントリーナンバー100番の選手がいませんね~?」
「あっぶね~~~~!!!!!ちこくするところだったぜ!!!!!」
会場に1人の少年がかけついた。
息は切れているがとても元気でまっすぐな様子だ。
少年は遅刻したことを大会の委員に軽く注意されている様子をみた草木 善治郎時貞は深くため息をついた──
今回の大会も退屈になりそうじゃ
「それでは一回戦!!ビューティフル・尿瓶バトルの開幕だァーーーー!!!」
ビューティフル尿瓶バトルとは、尿瓶に入った尿をどれだけ美しく見せられるかの勝負だ。
このバトルではランダムで10人ずつパフォーマンスをしていく流れとなり、審査員2人と大好きクラブで選ばれた会員8人の審査で合否を出す。
一回戦で勝ちあがるのは100人中5人だが前回ではあまりにも草木 善治郎時貞の納得のいくパフォーマンスがなかったため、3人しか勝ちあがれなかった。
「まずは前回王者エヌ=ワイ・ゼロ選手!だぁーーー!!!!!」
前回、彼は透明おしっこに透明バリアーで会場を歓喜の渦にかえ、優勝しまた今回もどんなおしっこを見られるか、と注目の的になっていた。
「おっと!!!すでに尿瓶の尿が透明に!そしてまわりにはバリアーが貼られているーーー!!!!!!」
すでにパフォーマンスは始まっていた
彼が尿瓶を持つ、ただ持っているだけなのに会場にどよめきが走る。
ただ持っているだけではない、
彼の腕が、伸びていたのだ。
「なんと!!!!!!!!選手の体がゴムになっているかのようだーーー!!!!」
さらに彼は炎につつまれて尿瓶をもったまま、上空に上がったのだ!
そして炎に包まれ、会場を自由に飛んだ後にきれいに着地した。
その姿は、発火しておらず、ゴム人間でもなく、まるで岩人間のようだった。
「なんというパフォーマンスだぁーー!!!!1人で何個の能力を持っているんだエヌ=ワイ・ゼロ選手ーーーーー!!!!!!!!!!1人ファンピスティック・フォーとでもいいたいのかーーーー!!!!!!!!!!!!!!!」
会場はすでに熱気に包まれていた。
その後にも多種多様のパフォーマンスが繰り広げられる。
とくに会場を盛り上げ高得点を出した選手はエヌ=ワイ・ゼロの他にピスタチオブラザーズの兄【ピスピスの能力者】ピッチャンとその弟【ニョウニョウの能力者】ペッチャン。白虎尿拳の使い手、八十二次郎。おしっこマフィアボスの右腕、機関銃使いのジョロシーモの5名だ。
さすがの善治郎時貞も、この5名には納得の評価だがそれ以外の選手は目にもくれない。
すでに一回戦は終盤。最後の10名がパフォーマンスを始める。
最後の10名は特に善治郎時貞にとって非常に退屈だ、と開始2秒で見極めていた。
「俺の最高のおしっこを見せてやるぜ!!!」
とくにこのエントリーナンバー100の少年は初めに見たときから見る価値もないと決めつけていた。
だが
「オレと相棒の力を見せてやるぜ!」
少年が突如、尿瓶をおしっこワイバーンと変化させてから見る目が変わった
「あれは・・・!!!」
おしっこを動物、生き物の姿に変えるのは中級~上級のおしっこ師にしかできないが空想上の生物、伝説、神と呼ばれる「聖獣」をおしっこ変化させる術は世界中で10人しかいない。かくなる善治郎時貞もユニおしっコーンに変化できる。
が
おしっこワイバーンにいたっては伝説級だ。
第0回おしっコンテストの王者がおしっこワイバーンの使い手、おしっこワイバーンそのもの、という話はあるがおとぎ話に近いものとして伝わっていた。
それにあの少年はおしっこワイバーンと対話しているかのようだ。
善治郎時貞も珍しく動揺しているが同じく審査員も、観客も選手も反応は動揺、歓喜、驚愕と様々だった。
「なんだあれ!?」
「どんなハッタリだ!?」
「あれほんものー?」
「あの少年、やるな!」
「今年の大会もおもしれーなぁ!」
「いや~、尿ですねぇ~」
「私のデータにないものを…クックック、おもしろい…」
「チョロチョロ~!」
「フン…」
「ギョボボボ」
「おしっこの環境整備」
「オモシロクナッテキタヨー!!」
「伝説の再来か!?」
「おおーーーっと!!!エントリーナンバー100!熱木選手のおしっこワイバーンによって会場は歓喜の渦だァーーー!!!!!」
「オレの名前は熱木ブレイニョウ!!!!!!おしっこの王になる男だぁーーー!!!」
会場の熱気はさらに盛り上がる。
ドサッ
その盛り上がりは善治郎時貞が倒れ込む音でかき消された。
観客席のだれかの叫び声から会場は一気に悲鳴の渦と化していた。
「お前の能力、もらっておくぞ!!!」
善治郎時貞のそばにはピスタチオブラザーズの兄弟、ピッチャン・ペッチャンと白虎尿拳の使い手、八十二次郎がいた。
ピッチャンは水晶をもっていてその中には善治郎時貞の ’’気’’ が封じ込められていた。
「きさま…!」
善治郎時貞は生きてはいたが声を出すのもやっとの様子だった
「善治郎時貞、お前のおしっこで時空を歪む能力を使い、この世界を…創りかえる…!!!!」
水晶は勝手に空に浮かんだと思えば破裂した。そこから闇の渦が発生した。
近くにいた温厚なニョウスキー・ピスラブもこの状況には焦りを出していた
「そんなことをしたらマルチバースの扉を開いてしまう!!君たちはそれがどういうことを意味しているかわかっているのか!!」
「だまれ!」
ピッチャンはニョウスキーを平手打ちし気絶させた
それを見ていた会場の客・選手も恐怖する者ばかりだったが中には彼らに立ち向かおうとする者もいた。
一番に動いたのはあの少年だった
「ゆるせねぇ!!!!」
熱木ブレイニョウはおしっこワイバーンのホワイトブレスをピッチャンにしかける!しかし八十二次郎の正拳突きで消されたがその拳にはかなりのダメージが残っていた。
その攻撃により会場が静まる中、ブレイニョウは叫んだ
「おしっこは!人を傷つけるためのものじゃねぇ!!!!」
これは、ブレイニョウとその仲間がマルチバースの闇の組織と戦う物語。
今はまだ序章である。
-次回予告-
オレはブレイニョウ!!闇の組織がマルチバースの扉を開いちまったせいで世界は大騒ぎだ!!
撤退した3人と組織の行方、マルチバースの扉を閉じるためにオレたちが向かったのはやわらかうんち村!しかし、道中で新たなる手先が現れる!!
次回、おしっこシティ・バース2話「キンタマ片手剣の罠」!
おしっこは友達だ!!
著者:つづく
いかそうめんが好き